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イベント : 熊野町筆まつり

掲載日時: 2011年08月25日

 全国一の筆の生産量を誇る筆の都「熊野町」では、毎年秋分の日(今年は9月23日)に、筆への熱い思いを込めた筆まつりを開催しています。

 熊野町は、毛筆、画筆、化粧筆のいずれも全国生産の80%以上を占めている日本一の筆の都です。最近では、化粧筆が特に有名で、サッカーの女子W杯で初優勝した“なでしこジャパン”に贈られた国民栄誉賞の記念品にも選ばれています。

 熊野筆は、江戸時代の終わりごろ農閑期の出稼ぎの帰りに筆や墨を仕入れて売りさばいたことがきっかけで作られるようになりました。
筆の原料があるわけでもない熊野に、筆づくりの技術を持ち込み根づかせたのは、先人の努力と情熱の賜物です。その優れた筆づくりの技術は、今もなお連綿と受け継がれています。

 筆まつりは、昭和10年に日本三筆の一人 嵯峨天皇をしのび、あわせて筆づくりの技術をもたらした筆司(ふでし)に感謝する意をこめて、熊野町商工会の設立十周年を記念して始まりました。
昭和40年に筆塚が建立されると、翌年からは筆供養が行われるようになり、今では筆に携わる全ての人と筆を与えてくれる自然に感謝し、筆の都「熊野」が心をこめて行う年に一度の大イベントに発展しました。
 筆塚のある榊山神社の参道に吊るされた筆の「一万本の筆通り」や、熊野を代表するメーカー約30社が様々な筆を出品する「筆の市」は、この日にしか見る事ができない圧巻の光景です。
特別ゲストの書家(辻元大雲氏)による約20畳の布への揮毫や、彼岸船と呼ばれる全長約9mの巨大な船が町内を練り歩く姿など見どころが満載。また、周辺の文化施設では、町内ゆかりの書家や画家の作品展、また企画展(赤塚不二夫展)も開催されています。
 秋空の下、熊野のまちをそぞろ歩くもよし、お気に入りの筆を見つけるもよし、きっと一日中楽しめるに違いありません。筆の都の筆まつりに、みなさんも出かけてみてはいかがですか。

【第77回 熊野町筆まつり】
◎日時 平成23年9月23日(金・祝)10:00〜17:00
◎場所 伝統ゾーン 榊山神社/コミュニテイゾーン 熊野高校グランド/工房ゾーン 筆の里工房
※当日は各会場を繋ぐシャトルバスが運行されます。
◎アクセス
広電バス熊野萩原方面行き「中溝」下車 徒歩約10分
※当日は大幅な交通規制が行われますので、マイカーでの会場乗り入れはできません。駐車場は熊野東中学校グランド(萩原一 丁目23番1)をご利用ください。
◎問合せ先:筆まつり実行委員会事務局(商工会)
TEL 082-854-0216

■主なイベント
≪伝統ゾーン 榊山神社周辺≫
◎終日実施
筆供養/筆の市/ハンズクラフト/筆づくり実演/書画骨董市
◎大作席書
 12:00頃 熊野高校書道部
 14:30頃 辻元大雲氏((社)全日本書道連盟理事、(財)毎日書道会理事)
◎〜14:00頃 彼岸船
◎14:00頃 筆踊り
◎15:00頃 熊野筆太鼓
◎先着400名 競書大会(参加料500円)
◎先着500名 ワンコイン休憩所(一セット100円)
≪コミュニテイゾーン 熊野中学校グランド≫
◎終日実施
ふれあいステージ/屋台村
◎先着200名 スタンプラリー
≪工房ゾーン≫
◎終日実施 水辺のギャラリー・書の石碑
◎10:30〜15:30 鐘聲庵茶会
◎10:00〜17:00 赤塚不二夫展
≪町内催し物≫
◎野外ギャラリー
◎坊田かずま遺品展(場所:郷土館)
◎ふたつの眼差し展(場所:あとりえMEUDON)
◎筆の町交流館K-JIN(場所:もみじ銀行熊野支店前)