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はなえたご(はなえたご)

 竹原は,慶安3(1560)年播州赤穂から入浜式塩田技術を移入して,塩づくりを始めた。以来約300年間,竹原の基幹産業として,竹原を発展に導いた。
 その塩田作業用の道具のうち,「はなえたご」は,潮まわりから海水をくみ,かついで沼井の中へくみ込むものである。材料は杉で竹のたがを上下2本かけた。深さ40センチ,口径36センチ,底径33センチ程度である。このほかに,沼井の下のもんだれ壷からかん水をくみ出し,かい込み箱に入れるためにかつぐ「にないおけ」,もんだれ壷からかん水をにないにくみ出す「水取杓」,もんだれを沼井へまくのに使う「もんだれ杓」,潮まわしから沼井に,はなえたごでくみ込む労力を避け,これを海水に入れて沼井へ導入する「けんけら」などがあった。すべて材料は杉で,竹のたががかけてあり,杓の柄には椋が用いられている。竹原では専門の桶屋があり,それぞれの浜大工に専属し,浜が始まる4月までに道具の整備をしていた。
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