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糸井大塚古墳
(いといおおつかこふん)
三次の古墳の中で、最大規模のものが糸井大塚古墳である。みよし風土記の丘から国道375号を、東2.5キロあたりの丘陵を越えると、突然糸井の南北に伸びた河谷盆地が開けて、美波羅川のつくった河岸段丘の左手に、こんもりとひときわ高い墳丘が田圃の中に見えてくる。これが糸井大塚古墳である。
古墳は、直径約57メートル、高さ約10メートルの2段築成の円丘部と東南部に長さ10メートル、幅17メートル、高さ1.5メートルの方形をした造出(つくりだし)部があり、帆立貝式古墳といえる。古墳の直径は、東広島市の三ツ城古墳よりも大きく、全長100メートル級の前方後円墳に匹敵する。墳丘には葺石、円筒埴輪などが巡らされる。周囲は田圃であるが、この部分には周溝が埋まっているようで、墓域は直径100メートルにもおよぶ。内部主体は未掘で不明である。5世紀代のこの地域の豪族の墳墓といえるが、その大きさからみると、その勢力は三次一円の領域におよんだと考えられる。付近には約40基以上の糸井古墳群が分布している。
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