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イベント : 尾道の魅力〜「尾道…セピア色の記憶―絵葉書に見るありし日のオノミチ―」展〜

掲載日時: 2009年08月05日

 尾道は、古来、瀬戸内海屈指の港町として栄えてきました。室町時代初期の武将今川了俊(いまがわりょうしゅん)は、九州探題(きゅうしゅうたんだい)として西に下る途中尾道に立ち寄り、山の麓に家々が網を干す庭もないほどところ狭しと立ち並び、港には遠国の船が多く出入している様子を紀行文『道ゆきぶり』に書き記しています。
 このように、瀬戸内海交通の要衝として栄えた尾道には、海運業などに携わる富裕者も多く住み、その資力によって次々と寺院が建立されました。そして、今もなお、西の小京都と呼ばれるほど多くの寺が点在しています。
 港町であり、寺の町でもある尾道はまた、志賀直哉や林芙美子などの著名な文学者が滞在し、数多くの作品を残した“文学の町”としても知られています。
 様々な顔を持ち、現在も多くの観光客を惹きつける尾道。その魅力について尾道学研究会事務局の林さんにうかがいました。


●ずばり、尾道の魅力は何だと思いますか?  
                                ▼昭和12〜13年頃の絵葉書 

  一概に尾道と言っても、現在は広域合併により市域が広くなりましたので、旧市内に限定してお話します。 
 尾道の魅力は、何と言っても、多彩で数多くの歴史的・文化的資源が、狭いところに集中して存在していることだと思います。寺などの文化財から文学的なゆかり、そして映画のロケ地まで、徒歩で回れる範囲内に豊富な資源が密集していることです。
 また、尾道は戦禍を免れたため、昔の風物が今なお残っており、それが訪れる人たちに懐かしさのようなものを感じさせるようです。ノスタルジア(郷愁)を誘う光景の中に、実に豊かな資源が存在しているんですね。
 尾道学研究会に参加し、尾道を研究していると、毎日のように新しい発見があります。掘り起こせば掘り起こすほど、新たな発見がある、これが尾道の魅力です。

●一般的な観光スポットとは違った、尾道学研究会お奨めの場所などがありましたら教えてください。

  観光スポットとしては、浄土寺からの眺望などが有名ですが、私の個人的なお奨めは、対岸の向島にある龍王山の山頂から見た尾道です。他に遮るものがないので、尾道の全景が楽しめます。
  また、よく知られてはいますが、小路ですね。昔、豪商の屋敷があった場所にはその豪商の名にちなみ、○○小路といった名称が付けられていたりと、小路一つを取っても様々な歴史的な由来があります。昔の生活などを想像しながら歩いてみても、楽しいのではないでしょうか。

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 なお、尾道学研究会では、2006年来、尾道を題材とした絵葉書の発掘・収集に取り組んできました。
 このたび、収集した絵葉書の一部をまとめた写真集『尾道…セピア色の記憶−絵葉書に見るありし日のオノミチ−』の出版(2009年1月)を記念し、その内容を紹介するための展示を下記のとおり行います。
 明治〜昭和初期に発行された、鉄道・公共建築物・神社仏閣・街並み等を描いた絵葉書を通して、尾道の今昔に触れ、その新たな魅力を発見してください。

【会 期】 2009年8月14日(金)〜27日(木)
【時 間】 10:00〜18:00 
【会 場】 広島県民文化センター(広島市中区大手町1-5-3)2階文化情報コーナー前
【観覧料】 無料
【主 催】 尾道学研究会・尾道絵葉書発掘プロジェクト www.onomichig.com
【お問い合わせ先】 公益財団法人ひろしま文化振興財団
          TEL082-249-8385   FAX082-249-7531
※ 写真集『尾道…セピア色の記憶−絵葉書に見るありし日のオノミチ−』の刊行は、公益財団法人ひろしま文化振興財団が助成しました。

併設展示 「廣島…セピア色の記憶〜広島市内の戦前絵葉書から」 

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