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インタビュー : 創立50周年記念公演を終えて(栗栖神楽団)

掲載日時: 2007年05月22日

神楽団 継続のひけつ
〜創立50周年記念公演を終えて〜

 廿日市市で活動する栗栖神楽団が、平成19年4月にオープンしたばかりの「さいき文化センター」(廿日市市津田)で、4月15日(日)、創立50周年記念公演を開催しました。その様子や、後継者の育成などについて、団員の松村さんにお話を伺いました。

【Q】どのような舞を継承されているのでしょうか?その特徴や魅力についてお聞かせください。

  元々は、広島県西部に伝わる十二神祇を継承していました。しかし、どちらかと言えば地味で、若い人に受けるという神楽ではなく、段々と後継者がいなくなったのです。そこで、島根県から県北に伝わってきた山県神楽系を伝承するようになりました。山県神楽は、六調子でテンポのゆるやかな、優雅な舞です。ゆっくりと舞わなければならないところが難しいのですが、その重々しさが魅力です。また、静かで優雅な舞ですが、鬼が登場する時のリズムと、神が登場する時のリズムが違ったりし、変化に富んだところも大きな魅力と言えます。

【Q】創立50周年記念公演は盛況のうちに終了したようですが、観客の方からはどのような声が寄せられていますか?また、終了後の感想などをお聞かせください。

  お陰さまで満員御礼。たくさんの方から「よかった」という声をいただきました。神楽団の場合、呼ばれて演じることはよくあるのですが、公演を一から企画・運営するということはあまりないのではないかと思います。舞台設備の整ったホールで演じることは若い人の励みになります。また、自分たちの力で全てをやり遂げたことは、大変ではあったけれど面白かったし、団員同士のコミュニケーションにも繋がりました。今後も定期的に公演を開催していくことを考えたいと思っています。

【Q】創立50周年ということですが、活動するうえで課題となっていることなどはありますか?
  
 何と言っても、後継者の育成です。これ以外にはないといっても過言ではありません。そこで、今年から子ども神楽団を組織しました。元々、うちの団では、練習に妻子を連れて来る団員が多かったのです。笛や太鼓の音が鳴り出すと、周りで見ている子ども達のテンションも高くなってしまい、騒ぎ出すんですね。それだったら、最初は遊びの一環でもいいから、子どもたちにも神楽を練習させてみようということで始まりました。チラシ・ポスターなどを作って子ども団員の募集も行い、現在では団員の子弟以外の参加もあります。

【Q】子ども神楽団には、何歳くらいのお子さんが入られているのですか?また、子どもに神楽を伝承するうえで、気を付けていることや工夫されていることなどはありますか?

  幼児や中学生もいますが、小学生くらいの年代の子どもが中心です。ですから、子ども神楽団を組織して一番気を使っていることは、子どもたちの安全です。練習がどうしても夜になるので、ご両親にはお子さんの送り迎えを必ずしていただくようにお願いしています。また、「お子さんを泣かせてしまうこともあるかもしれませんが、ごめんなさい」と、あらかじめ了解も得ておきます。神楽団の場合、出演料をいただくことが多いので、いわばプロです。子どもといえども、いい加減なことをしてもらっては困るので、芸は厳しく教えます。しかし、そうは言っても、叱る加減が難しいのです。うちの団の場合は、叱る役割の人間と褒める役割の人間が自然と出来上がっていて、団全体としてバランスを保っているという感じです。

【Q】創立50周年記念公演を終了され、次は60、70、80・・・周年と続けていただきたいと思いますが、神楽団を継続するうえで重要だと思われることは何でしょうか?

  やはり、「神楽の本質とは何か」を常に考えながら活動していくことだと思います。神楽の元々の意味は、「神様を楽しませる」ということからきていると言います。ですから、うちの団では礼儀作法を大切にしています。「神楽道具を足蹴にしてはいけない」「幣(へい)は神様だと思って扱う」などを若い団員や子ども団員にも厳しくしつけています。神楽団を芸能団体の一つと考える人もいるようですが、祭り前の1週間、みそぎをするという人もいます。神楽が本来持つ意味を大切にしながら活動していきたいと思います。
  最後に、質問の意図からは逸れるのですが、行政の方などにお願いがあります。今、神楽を呼ぶとお客さんが集まるということもあって、神楽団があちこちで呼ばれています。特に、派手な衣裳を着て派手に舞う神楽は、お客さんに喜ばれるのでよく招かれます。しかし、そうではない神楽も一方にはあるのです。そういった神楽に対する配慮、出演機会の提供なども是非考えてほしいと思います。

 後継者の育成を始めとして、参考になるお話をありがとうございました。栗栖神楽団、栗栖子ども神楽団さんの益々のご発展を期待しています(KK)。