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イベント : 第258回 大島能楽堂定期公演

掲載日時: 2019年04月01日

4月21日(日)に福山市の喜多流大島能楽堂にて、「第258回 大島能楽堂定期公演」が開催されます。この鑑賞能は、伝統文化継承・普及のためと、喜多流職分の同人の芸の精進と披露の場として、大島政允さんが中心となり、年4〜5回、定期的に解説付きで開催している会です。



―能「高砂」(たかさご)―
肥後の阿蘇の宮の神主友成が、都への旅の途中、播州高砂の浦に立ち寄り、松の落ち葉を掃く老夫婦と出会います。老翁は、高砂の松と摂津国住吉の松が、離れていても「相生の松」と呼ばれる謂れを語って夫婦の絆を説き、常緑の松のめでたさを述べて、長き代を祝します。そして、老翁は住吉明神、妻は高砂の神であると正体を明かし、住吉で待つと告げて小舟に乗り、沖へ去ります。
 友成が舟で住吉に渡ると、住吉明神が、若々しい男神として現われます。松風の吹く月夜の浜辺で颯爽と舞い、天下泰平と万物の長久を寿ぎます。
 清々しく力強い、気品に満ちた神能で、能の代表的な曲目として親しまれてきた作品です。



―狂言「昆布売」(こぶうり) ―
供を連れずに出かけた大名が、通りかかった若狭の召し(献上品)の昆布売を脅して、自分の太刀を運ばせます。従者のように扱われて怒った昆布売は、太刀を抜いて大名を脅し、昆布を売るよう迫ります。小唄節や平家節、踊り節など、色々な売り声をさせられるうち、大名も興に乗ってきます。

―能「一角仙人」(いっかくせんにん) ―
インドの婆羅奈国に、鹿から生まれたために、額に一本の牡鹿の角を生やした仙人がいました。仙人が龍神と争って岩屋に閉じ込めたせいで、数年間も雨が降らないため、帝王は策を練り、旋陀夫人という絶世の美女を、仙人の住む深山に遣わします。
 夫人は道に迷った旅人を装って宿を借り、持参した酒を勧めます。仙人は、次第に誘惑に負け、つられて共に舞い、酔いつぶれて眠り込みます。夫人は役目を果たして山を下ります。
すると岩屋が鳴動して真二つに割れ、龍神たちが飛び出て襲いかかります。仙人は応戦しますが、酒色に堕ちたために神通力を失っており、力尽きます。龍神は雲を起こし、激しい雷雨を降らせながら龍宮へ飛び帰ります。
 妖艶な相舞や、岩が割れて子方が飛び出す演出など、見せ場の多い楽しい曲です。

四季折々の風雅に即した舞台をお楽しみください。

「第258回 大島能楽堂定期公演」
【日時】2019年4月21日(日)12:30‐
【会場】喜多流大島能楽堂
【料金】一般券6000円、学生券2000円、座席指定料2000円
【番組】
能「高砂」・・・金子敬一郎
狂言「昆布売」・・・茂山千三郎
能「一角仙人」・・・大島政允 子方 大島伊織、大村稔生
囃子方:笛 竹市 学
     小鼓 飯田清一
     大鼓 白坂信行
     太鼓 小寺真佐人