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イベント : 鞆の浦観光鯛網

掲載日時: 2018年04月09日

 鯛網は、福山市鞆の浦に約380年も伝わる伝統漁法です。潮風に吹かれながら海の上から観覧する「鞆の浦観光鯛網」が、5月3日(木・祝)から27日(日)まで開催されます。往時の姿をそのまま今に伝える観光鯛網は、とても勇壮な一大海上絵巻です。

 外海の深海で冬を過ごした鯛は、3月末頃から豊後水道・紀伊水道を抜けて、産卵のため波穏やかな瀬戸内海中央部の鞆の浦沖へとやってきます。5月頃に最盛になり、漁師たちが沿岸部に建て網を張り、岸近くに寄ってくる鯛を捕っていましたが、江戸時代に入ると、沖合に群がる鯛を出向いて、積極的、効果的に捕る方法として、しばり網を応用した鯛網が考案されました。

 江戸時代の末頃から明治にかけて、鞆の浦から漁師の待ち船や渡し船などを利用した観覧船が出るようになり、大正には鯛網への関心が高まるにつれ、「雄大な鞆の浦を背景にショーとして興業したら…」と考えた当時の町長の発案により1923年(大正12年)第1回鯛網が開催されました。1926年(大正15年)の「天覧興行」によって鞆の浦の観光鯛網は全国に伝わり、観光鯛網としての地盤を固めるとともに、「日本の鯛網」としての基礎がつくられました。太平洋戦争で一時中断されましたが、1949年(昭和24年)に再開され、2015年(平成27年)には、「鯛しばり網漁法」が「福山市無形民俗文化財」に指定されました。

 「鞆の浦観光鯛網」開催期間中、航海の安全と大漁を願う樽太鼓と大漁節が浜中に響き、弁財天の使い「乙姫」が大漁祈願の舞を踊ります。一旦出航した船団は古式そのままに、弁財天の祀られる弁天島の前で左に3回まわり祈願して出漁、沖合で網しばりが行われます。見学後は、鞆の浦のクルージングを楽しむことができ、その他、鯛や保命酒が当たる抽選会や網引体験(当日受付)、「重要伝統的建造物群保存地区の史跡めぐりツアー(約1時間)」など特典がいっぱい。鯛網で捕れた鯛や小魚が特価で即売されるのも魅力的です。ぜひこの機会に、足を運んでみてはいかがでしょうか。

【鞆の浦観光鯛網】
期間:2018年5月3日(木・祝)−27日(日)
※期間中毎日開催、雨天決行・荒天候時中止あり
場所:福山市鞆町仙酔島田の浦
開催時間:午前の部10:30−(日曜日・祝日のみ開催、遅くとも10:10発の渡船に乗船)、午後の部13:30−(開催期間中毎日開催、遅くとも13:10発の渡船に乗船)
観覧料:大人(高校生以上)前売券2,500円、個人券2,800円、バス券付観覧券3,300円、団体2,200円/小・中学生前売券1,250円、個人券1,400円、バス券付観覧券1,650円、団体1,100円/家族観覧券6,000円(大人2人と小・中学生2人まで)
※鞆から仙酔島への渡船料を含む
※前売券は5月2日まで
※団体は15名以上で予約が必要
問合せ先:(公社)福山観光コンベンション協会 084-926-2649