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イベント : 第12回 鞆の津 八朔の馬出し

掲載日時: 2013年08月06日

 9月8日(日)、福山市鞆町で「鞆の津 八朔の馬出し」が開催されます。八朔の節供は全国各地で様々な行事が行われますが、「馬出し」は鞆だけで行われる伝統行事。歴史が残る町中を白い木馬が練り歩く。鞆の浦の町をあげてのこのお祭りは、今も昔も子どもの成長を願ってやみません。

 八朔とは旧暦の八月朔日(一日)の略称。この日、新穀を日頃お世話になっている人に贈る農家の風習が全国に広まり、感謝の気持ちを伝える日となりました。また徳川家康の江戸城入りした記念日でもあり、全国各地で様々な行事が行われます。

 このうち鞆では、男の子が生まれて最初の八朔の日に白い馬の模型をつくり、車輪のついた台に乗せ町中を練り歩いて祝う「八朔の馬出し」が行われていました。胡粉で白く塗り固めた体に立て髪や尻尾を付け、鞍(くら)や鐙(あぶみ)などの馬具までつけた当時の馬は、驚くほど写実的で精巧に造られており、大きさも子犬くらいから実物大のものまで様々。福山藩の儒者・菅茶山編集「御問状答書−備後福山領風俗記−」や鞆の商家の古文書「中村家日記」には木馬を引き廻し、多くの見物人が来て賑わったと記されています。江戸時代から続くこの「馬出し」は昭和の初めに姿を消しましたが、2002(平成14)年に地元住民の手で約70年ぶりに復活。現在も全国の子どもの健やかな成長を願うため、旧暦の八朔の日に近い日曜日に行われています。

 当日の「馬出し」の馬には、江戸時代から明治期の実際に使われていた馬のほか、町民手作りの平成の馬や、外国の木馬が参加することもあり、総勢10数台にのぼります。にぎやかな音頭に合わせた隊列が沼名前(ぬなくま)神社境内を出発し、太鼓を乗せた馬の台を筆頭に、地元住民を中心に多くの人が賑わう町内を練り歩きます。現在では男の子に限らず未就学児なら誰でも引くことができ、老若男女問わず楽しむことができます。全国でも珍しい「八朔の馬出し」にご家族で参加してみてはいかがでしょうか。

【第12回鞆の津 八朔の馬出し】
■日時:2013年9月8日(日)10:00〜12:00 ※雨天中止
■会場:福山市鞆町内(沼名前神社前出発)
※出発前の9:45〜10:00 沼名前神社前。八朔の馬の前で、記念撮影ができます。申込不要。

【企画展 八朔の馬】
■期間:2013年8月28日(水)〜10月6日(日)
■開館時間:9:00〜17:00
■会場:福山市鞆の浦歴史民俗資料館(福山市鞆町後地536番1)
■入館料:一般150円(団体20名以上120円)、高校生までは無料
■休館日:毎週月曜日(祝日の場合は翌日)

【写真募集】
■題材:第12回 八朔の馬出しの行事
■応募内容・方法:2L(キャビネ)判程度。裏面に、住所・名前・電話番号を記入し、福山市鞆の浦歴史民俗資料館へ持参、または郵送ください。(応募料無料)
■締切:2013年9月28日(土)必着
※すべての応募写真を福山市鞆の浦歴史民俗資料館で、10月10日(木)〜11月24日(日)まで展示します。優秀作品は作品集に掲載し、贈呈します。大賞作品は翌年のポスター・チラシに作品を使わせて頂きます。

【お問い合わせ】福山市鞆の浦歴史民俗資料館 084−982−1121