広島県の文化資源画像

櫂伝馬(かいでんま)

 旧東野町(現大崎上島町)の古江にある住吉神社の夏祭りは、毎年、旧暦の6月29日(8月13日)に行われ、有名な櫂伝馬競漕(そう)がある。発祥ははっきりしないが、江戸時代末、海運業の発展を祈願し、大阪住吉社から分祠し、文政10年(1827)に住吉神社を建立してから続いている。
 最初は4地区で4艘の伝馬が競漕していたが、現在は5艘になっている。各地区代表の5艘が太鼓を鳴らし、かけ声を上げて競漕し、海岸に乗り上げて勝ち名乗りを上げる。往年の水軍の様子を思い出させる。
 夜は、5艘の御座船にいっぱいの電飾をつけ、管絃(げん)の音を奏でながら各地区へ曳航して帰る姿も優雅で美しく、水軍の凱旋をしのばせるものがある。
 船の大きさは規定により長さ12メートル、幅1.8メートルで、櫂は左右7寸ずつで漕手(こぎて)14人、ほかに船頭、太鼓たたき、子どもの「だいふり」と「けんがいふり」で、乗船者は計18人である。船の中央に地区名を入れ、色分けした幟(のぼり)を立てて、地区の所在をはっきりさせている。
21001a.jpg

前のページへ戻る