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沼田西のエヒメアヤメ
(ぬたにしのえひめあやめ)
山陽本線本郷駅より南へ2キロメートルほどの距離にある三原市沼田西町松江の山林に、国の天然記念物に指定されているエヒメアヤメの自生地がある。一帯は疎開(そかい)したアカマツ林で、下層には、ヒサカキ、ヤマツツジ、ミヤマガマズミ、イヌツゲ、ススキ、スゲ類などが生じているが、毎年下刈りが行われるので林内は明るい。
エヒメアヤメは、中国東北部、朝鮮半島、西南日本(西限岡山県、南限宮崎県)に分布する多年生草本で、4月下旬に青紫色の美しい花を開く。最近は生育地のアカマツ林が開発されたり、放置されて下生(したば)えが茂るようになったので、絶滅または、著しく減少した。そのような状況を憂えて、本種の栽培増殖に努め、山へ返す運動をしている人やグループもある。
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