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御寺のイブキビャクシン
(みてらのいぶきびゃくしん)
鎌倉時代に建てられた十三重塔、行基菩薩の作と伝えられる木造阿弥陀如来坐像、その他、国または県指定の重要文化財がいくつもあることで有名な真言宗の古刹光明坊の境内に、樹幹がほふく状になっているイブキビャクシンの老木(県天然記念物) がある。幹は地際で東西の2大支幹に分かれており、それぞれの根元周囲は2.0、1.2メートルである。樹幹は、大部分皮がはげ落ちてねじれ、上下に波うちながら曲りくねっている。
イブキビャクシン(普通は単にイブキ、またはビャクシンと呼ぶ)は、日本、朝鮮半島、中国大陸に分布する針葉樹で、幹は通常直立している。日本では、青森県以南の主として太平洋側の沿海地域に自生するが稀である。庭木や生垣としてよく植えられているカイズカイブキは、本種の老木の枝を挿木してできたらしいといわれる園芸品種である。
法然上人(ほうねんしょうにん)(長承2年〜建暦2年<1133〜1212>)が讃岐流罪の途次、当時光明坊で修行されていた後白河院の皇女如念尼公の詔請によって当坊に立ち寄った。その時尼公に持念の仏舎利と三部経を贈り、「我仏法末世に弘通せばこの木と共に栄えん」と誓願して「白檀(びゃくだん)」の杖を庭に挿したのが根付いて育ったと伝えられている。
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