広島県の文化資源画像

小奴可の要害桜(おぬかのようがいざくら)

 小奴可小学校の南方にある丘に亀山城といわれる山城の跡があり、その麓の一角に、古くから地元の人々に「要害桜」と呼ばれて親しまれているエドヒガンの大木(県天然記念物)がある。目通り幹囲5.9メートル、樹高約17メートルで、地上約4メートルの辺りから分岐した5本の支幹がよく発達して、整った大きい樹冠を形成している。
 例年4月下旬に淡紅色の花を開くが、以前この地方では、このサクラの花が咲く頃を苗代を作る目安とし、「苗代桜」と呼んでいたと伝えられている。広島市佐伯区五日市町石内にある 「神原のシダレザクラ」(県天然記念物)も、花が咲き始める頃苗代の準備にとりかかったので、「岡(所有者の姓)の苗代桜」といわれて有名であったという。
 エドヒガンは、別名ウバヒガンまたはアズマヒガンとも呼ばれ、本州、四国、九州、さらに朝鮮半島、中国大陸にも分布する。
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