広島県の文化資源画像

円正寺のシダレザクラ(えんしょうじのしだれざくら)

 円正寺の石段を上りきった所にある鐘楼の両側にシダレザクラが1本ずつ生じている。江戸時代初期に植えられたと伝えられる老木で、県天然記念物に指定されている。胸高幹囲はともに3.2メートル内外であるが、樹高は東側の方が大きい。4月中〜下旬、帯紅白色の美しい花が咲く。
 シダレザクラは、エドヒガンの枝の垂れた園芸品種で、野生のものは知られていない。全国各地に幹囲3メートルを超える木が報告されているが、そのような大木は特に関東以北に多い。「糸桜」とも呼ばれ、平安時代末期より歴史に登場し、桃山時代以後は絵画に多く描かれるようになった。
 広島県内には、県天然記念物のシダレザクラがもう1件、広島市佐伯区五日市町石内にある。しかしその大きさはかなり劣り、胸高幹囲は2.6メートルである。
img73h.jpg

前のページへ戻る