広島県の文化資源画像

冠高原のレンゲツツジ(かんむりこうげんのれんげつつじ)

 海抜780〜840メートルの冠高原にはレンゲツツジが多く生じており、特にこのツツジがたくさん集まって群落を作っている地区(高原の最高地点付近)は、県指定の天然記念物として保護されている。指定地区内では、レンゲツツジに加えて、カシワ、ヤマナラシ、アカマツが疎生し、草本としてはススキとワラビが優占し、その他にホクチアザミ、アキノキリンソウ、オカトラノオ、リンドウなど、夏から秋にかけて美しい花を付ける種類が多く見られる。
 レンゲツツジは北海道西南部、本州、四国、九州に分布し、日当りのよい高原や湿原に生える。四国、九州では少ないので、生育密度が高い大きな群落としてはこの冠高原の自生地が南限といえよう。5月〜6月、朱紅色の大きい花を開く。花は美しいが、葉とともに有毒であるので、放牧場に生じていても牛や馬に食べられることはない。
 葉の裏が粉白のウラジロレンゲツツジ、花が黄色のキレンゲツツジ、紅色が濃いベニレンゲ、花弁が10裂以上になるレンゲボタンなどいろいろの変種や品種がある。
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