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古鷹山のゲンカイツツジ(ふるたかやまのげんかいつつじ)

 切串港の南にそびえる古鷹山(376メートル)の中腹にゲンカイツツジが群生している。本種は、中国大陸と朝鮮半島に分布するカラムラサキツツジの毛が多い変種で、中国地方西部、愛媛県、九州北部、朝鮮半島南部に産し、乾いた山の岩地に生ずる。稀少な植物で、県内でも確認されている産地はあまり多くない。3〜4月、葉に先立って淡紅紫色の美しい花を開く。
 古鷹山は、昭和53年(1978)6月大火に見舞われ、山林の大半を焼失したが、大火後、旧江田島町は鋭意(えいい)山の緑化、美化に努め、この山にソメイヨシノ、オオシマザクラ、その他各種のサクラ2万数千本を植栽した。海上自衛隊第一術科学校の構内にもサクラの木が多い。
 この地に自然に栄えて群落を作っているゲンカイツツジと、心をこめて植えたサクラの花が春の古鷹山を美しく飾る。
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