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二級峡(にきゅうきょう)

 黒瀬盆地南端崖下にある約1キロメートルの峡谷である。黒瀬盆地を南流して来た黒瀬川は、短区間を約100メートルの落差をもって流下するため、基盤の花崗岩を侵食し、さまざまな奇観を生みだし、周辺のうっそうとした植物相がこれに調和して峡谷美を高めている。
 峡中には、二級滝 (上段の高さ21メートル、下段の高さ22メートル)をはじめ霧滝・渦滝などやそれらの滝壷(つぼ)が存する。河床には、約50個の甌穴(おうけつ)があり、その径は小で20〜30センチメートル、大では10メートルを超えるものもある。甌穴の成長過程を一個所で見ることができる。二級峡を過ぎると広大川(ひろおおかわ)となり、瀬戸内海へ注ぐ。
 『芸藩通志』は、「二級滝」として次のように記している。
  世に広の大滝と称す、滝の源は志和東村より
 南に流るること十三里、此に来りて土地俄に低
 し、故に飛滝となる、滝の上に深沢あり、水岩穴
 をくぐりて落、上下二級をなす、上を雄滝とよび下
 を雌滝といふ、長は十五六丈、短は五六丈、其
 間恠岩重り、その勢甚壮なり、
 最近は、レクリエーション地域として市民に親しまれている。
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