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恋湾(こいわん)

 多島美を誇る安芸灘に浮かぶ上蒲刈島(呉市蒲刈町)は、イカ観光や県民の浜などを中心に観光の島として脚光をあびている。
 島の西側、大浦地区には恋湾があり、湾に面した恋ヶ浜は夏場、キャンプ場として賑わう。恋ヶ浜は、その昔、島に来た一人の女性が遠い故郷をしのんで「恋しい、恋しい」と泣いたため名前がついたとの言い伝えがある。
 恋湾は、イカの漁場としても有名で、春から初夏にかけてイカ観光で賑わう。葉の付いたツゲの枝を入れた網かごを海中に沈め、産卵のためかごに入ったイカをかごごと引き上げる独特の漁法を見物。浜辺では新鮮なイカが味わえるとあって、県内をはじめ京阪神からも客が訪れる。その恋ヶ浜から約2キロメートルの所に物見岩がある。かつて合戦のとき、見張りやのろしを上げる場所としても使ったといわれる。中腹の物見橋からは、さざ波が光る恋湾や四国の石槌連山が見渡せる。夜間の漁火(いさりび)も見ごたえがあり、瀬戸内を眺望する名所の1つになっている。
 恋ヶ浜から約500メートル東方の県民の浜は、海水浴客で賑わう。宿泊・研修施設をはじめ、プール併設の体育館、八面のテニスコート、200ミリメートルの望遠鏡を備えた天体観測館、藻塩作り体験施設もあって人気がある。
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