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八国見山(やくにみやま)

 八国見山は、標高845メートルの周囲の山々より急傾斜をもつ山である。
 この山は、山頂から見渡すと8つの国が見えるということから、八国見山と名付けられた山である。『芸藩通志』にも、「宮内村にあり、備芸雲石、及び四国路を見る故にかく名づく」と記述されている。
 また、昔から信仰の山としても崇められ、和銅年間(708〜714)には、山頂に延喜式内社である多加意加美神社が創建されたと伝えられている。
 地質的にも興味深く、山の最外部の流紋岩体は白亜紀(約1億3,000万年前〜約7,000万年前)後期の火山岩であるが、中心部の安山岩体は、新世代(約7,000年前〜)に入ってから、しかも比較的新しい時期に形成された火山岩である。
 植生においては、アラカシ、シラカシの常緑広葉樹とスギ、ヒノキなどの常緑針葉樹からなる天然性二次林で覆われ、昭和50年(1975)にはこれら地形・地質・自然環境を保全するために、広島県自然環境保全地域に指定された。
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