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黒瀬川と野呂山の遠望(くろせがわとのろさんのえんぼう)

 標高833.6メートルの野呂山は、呉市郷原町からは野呂山系に接近しすぎていて、十分望見できない。そこで、黒瀬川に沿って、野呂山の全容を一望できる位置まで、内陸に入る。
 黒瀬川は、賀茂台地を流れる川で、その流れはゆるやかで、急流を見ない。またこの川は竹保川、猿田川、神洗川、イラスケ川などの支流を集め、水量は、比較的豊富である。
 東広島市黒瀬町の兼沢、大河角、呉市郷原町との境界地域から南を望むと、野呂山が、まともに南の空を画している。稜線上にテレビ塔もあざやかに見ることができる。
 海上から望む野呂山の顔より、田園と台地の緑のかなたに悠然と横たわる野呂山は丸やかで、やさしい姿をしている。
 また、黒瀬川流域の人たちは、野呂山によって、気象の知識を得ている。たとえば、「野呂山に傘雲がかかると雨が近い」、「野呂山に向かって、西条方向に雲が走ると雨」、「呉方面に雲が走ると雨があがる」など。
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