広島県の文化資源画像

八幡高原(やわたこうげん)

 西中国山地の山々に抱かれた旧芸北町(北広島町)八幡地区は、標高800メートルの高原地帯。広島県の西北端、島根県境に接した自然の宝庫で、ブナ林の臥竜(がりゅう)山、広大な草原の千町(せんちょう)原、西日本有数の湿原、満々と水をたたえる聖湖(ひじりこ)などで形成される。
 臥竜山(1,223メートル)は、高原の東側にあり、山の稜線が竜が伏せた姿に見えるところから名前がついた。別名・苅尾(かりお)山ともいう。ブナ林に覆われた山頂付近は、原始林として有名。山頂には八畳岩という巨岩がある。臥竜山の北西山麓に広がる千町原は湿原性植物が多く自生する。昆虫の宝庫として訪れるファンも多い。
 八幡地区は、高山性植物と湿地性植物の群生地。とりわけ湿地性植物は、西日本有数の観察地として知られ、夏場、尾崎沼周辺ではカキラン、ミズチドリ、ビッチュウフウロ、サギソウなど30種近くが咲き誇る。
 聖湖は、樽床ダムの貯水池の名称。樽床(たるとこ)ダムは中国電力が昭和32年(1957)、太田川支流の柴木(しばき)川上流、東八幡原地区に34億8,000万円(補償費を含む)をかけて完成した発電用ダム。聖湖一帯は西中国山地国定公園に指定され、湖畔には民具を展示する「町立民俗博物館」もあって、行楽シーズンはにぎわう。
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