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雨乞いの跡(あまごいのあと)

 瀬戸内では、年間降雨量1000ミリ以下、晴天日数は多く、乾燥がひどい。これが塩田の集中をもたらしたわけだが、農耕用と飲用水の不足は、しばしばで、雨乞いの風習は、根強く伝承された。
 昭和25年(1950)国立公園に指定された高見山(たかみやま)(標高283メートル)は、四国連峰を望み、内海随一の展望である。
 この頂上に、巨大な雨乞いの碑「龍王神」と、「祈雨降来紀念」の碑が建っている。「龍王神」碑は、昭和8年(1933)7月30日、「江奥中(えのおくなか)」の人達の発起で建てられたもので、瀬戸内最大の規模を誇るものである。昭和14年(1939)には、この碑を囲んで、島の人たちは雨乞いをした。
 「祈雨降来紀念」碑は、「江奥青年団有志」が、大正13年(1924)夏に建てたものである。水の欠乏に悩まされた島の人達の祈りの声が、聞こえてくる。
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