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冠遺跡群
(かんむりいせきぐん)
広島県と山口県の境にある冠山は標高1339メートルで、付近は西中国山地国定公園となっている。ここは第4紀には、冠山安山岩と呼ばれる岩石を噴出し、付近一帯は安山岩の産出地で、石器時代の人々はこの石で石器を製作した。冠山南麓の盆地状の高原では、戦後開墾が行われ、現在スキー場としてもよく知られている。
この高原に縄文時代の石器が出土することは、かなり古い時期から知られていたが、先土器時代(旧石器時代)にさかのぼることが明らかになったのは、昭和45年(1970)広島県教育委員会が行った中国縦貫自動車道建設に伴う遺跡の分布調査の際である。
出土の石器類は、先土器時代ではナイフ形石器、尖頭器(せんとうき)、削器(さつき)、細石器を含み、縄文時代では石鏃(せきぞく)、石匙(せきひ)類があり、前者が圧倒的に多い。発掘調査では姶良(あいら)Tn火山灰が確認され、先土器時代の石器類は、1万年前から2万年前以上にさかのぼるものを含む。
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