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備中新見路と二本松
(びっちゅうにいみじとにほんまつ)
備中新見から備後東城〜西城を経て三次に至る備中新見路は、広島街道に連結する要道として、古くから往来の盛んな所だった。
この街道の備後と備中の国境に位置する二本松峠は、浅野藩の御番所が置かれ、国境の警護に当たっていた所。今も番所跡地や、石垣が原形をとどめている。国境碑も現存する。
旧東城町福代地区から二本松峠へは、古道の風情が残っており、農家と畑を縫って、わずかに登ると、一本の老松がそびえている。古くはこの辺りに、2本の巨大な老松が亭々とそびえ、遠くからも望まれたものであった。番所近くの農家には、警護に使っていたという古道具が保存されていたりする。
二本松峠には、顕正山妙法寺がある。かつてこの前には小さな門前町があり、近郷の米、木炭などの産物が集められ東城、新見へと運び出された。街道筋には桜並木があって、遅い山国の春を彩り、いかめしい番所の周辺を和らげるものだった。
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