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比婆山縦走路(ひばやまじゅうそうろ)

 国定公園比婆山連峰は、神話伝説のふるさと。『古事記』に「故神避りましし伊邪那美神は出雲国と伯伎国との境比婆山に葬(かく)しまつりき」と出ており、山頂は国母神の御陵と伝えられている。標高1264メートルの比婆山は、別名「美古登山」とも呼ぶ。「御陵」は、円墳状の丘の中央に奥津岩座(おくついわくら)と呼ばれる巨石を配し、これを囲んで、樹齢1000年を超える7本のイチイの木が石を抱いて茂っている。いかにも神話の舞台らしい神秘感を漂わせている。
 御陵伝説を秘め、神の宿る古代信仰の山として、地元や出雲路の人々の信仰を集めてきた比婆山は、開発を避けて、そっとしておきたい山である。
 昭和28年(1953)この一帯が比婆山県立公園、38年(1963)に比婆・道後・帝釈国定公園に指定された。46年(1971)県民の森が開設され、縦走路を含めて延長50キロメートルに及ぶハイキングコースが整備された。57年(1982)には、縦走路が、中国自然歩道のルートに入り、御陵遙拝所といわれる熊野神社、那智の滝、天狗岩、竜王山、立烏帽子山、ブナの純林など、四季折々の景観を楽しめる。
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