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廿日市宿と地御前本道(はつかいちじゅくとじごぜんほんみち)

 廿日市の地名は享徳3年(1454)の書状に見えている。毎月20日に定期市が開かれたことによるもの。それより先、今川了俊の『道ゆきぶり』にある「佐西の浦」は、この地と推定されている。このように古くより山陽道が通り、栄えた廿日市に宿が開かれたのは江戸時代初期である。本陣は町の中央東寄りにあった。江戸時代末期の旅行記に、「廿日市宿、人家千軒ありといへり、おほくは瓦葺にて宿屋茶屋多く町長し」とある。
 地御前本道は、廿日市市内の旧宮内村と旧地御前村を結ぶ本道で、旧山陽道(海岸沿い)近くの道。江戸時代の面影をそのまま残し、村落の生活道として今なお、人々に愛されている。
 道中には、明治時代の先駆的洋画家、小林千古の碑などがあり、終点は、厳島神社の外宮として創建された地御前神社である。この辺りの雰囲気は、しっとりとして古きよき時代をしのばせる風情に満ちている。
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