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三段峡遊歩道
(さんだんきょうゆうほどう)
三段峡は、江戸後期の文献に初めて登場するといわれているが、大正末期に、広島市の写真館の技師であった熊南峰によって、広く世に紹介された。
国の名勝に指定後、地元の人々の献身的な努力により探勝路が開設され、多くの探勝客でにぎわったと記録されている。遊歩道といっても、現在から比べると簡易なもので、その後の度重なる洪水により全壊し、県の補助などによって、次第に本格的な探勝路としての形を整えていった。
ツガ、モミ、トチ、カエデ類などの原生林の中の遊歩道は、渓谷沿いに細く長く続き、今なお険路に杖をついて歩いた往時をしのばせるものがあり、瀑布、急流、淵の続く景観の変化とスリルは、訪れる人を飽きさせることがない。
全長10キロメートル余りの遊歩道は景色の良さに比例して、浸食作用の激しさは変わりようがなく、足元には注意が必要である。
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