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大崎上島八十八ヵ所霊場巡り
(おおさきかみじまはちじゅうはっかしょれいじょうめぐり)
弘法大師は讃岐(さぬき)の生まれで、それにちなんでか四国地方における真言宗の普及は著しい。四国の霊場巡りは、本来、難所を克服する強い意志と苦行によって、自らを精神的・肉体的苦悩から解放しようとするものであった。その起源は、平安末期か鎌倉初期といわれているが、八十八の霊場に固定するのは室町末期から江戸初期とされる。
このような本四国に対して、瀬戸内海の真言宗の色彩のある島々では、島四国が設定され、島民による巡拝が行われている。大島上島の霊場は、大正7年(1918)に作られたものである。時期的に早い方ではないが、真宗の盛んな安芸地方に見られる点が注目される。
旧東野(ひがしの)町のめばる崎にある霊山寺が一番札所で、島を右回りに一周する。各霊場は、小堂をもって当てているが、春の巡礼の季節以外もきれいに清掃され、花や果物などの供物が見られる。島の人々が時々集まり、語り合う場にもなっている。
巡拝は、信仰とレクリエーションを兼ねた性格のものとなっている。
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