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清風館(縮景園内)(せいふうかん(しゅっけいえんない))

 清風館は、江戸時代名勝縮景園内の藩主休憩所であった。書院造の名残を一部にとどめる本格的な数寄屋建築。屋根は杮(こけら)葺きである。現在の清風館は原爆による焼失後約20年、昭和39年(1964)に復元された。縮景園の正門を通り、真っすぐいつも清掃の行き届いた砂道を約50メートル歩くと正面に清風館がある。園のほぼ中央に位置している。東側には、花頭窓を設けて、濯嬰池(たくえいち)、跨虹橋(ここうきょう)にのぞみ、西側には茶室が設けられ、燈籠(とうろう)・生け垣が優雅な雰囲気をただよわせている。
 頼山陽の叔父頼杏坪(きょうへい)は、清風館について、次のように記している。「園の正南にあたりて御館ひとつ有。かやが軒端高からず、芦垣のまぢかく結わたしたるさまいと素朴にして、けうしやの風露おはさず、時の名匠の詩歌すこしばかり、将び鹿ひとつふたつゑがかせて壁にをしたまふ。門梁に清風というもじの、から人のかけるをかヽげ給へり。」(縮景園仮名記―広島県教育委員会編「縮景園史」による)
 縮景園内には、清風館の外、明月亭(めいげつてい)、超然居(ちょうぜんきょ)、悠々亭(ゆうゆうてい)など、濯嬰池をめぐり、幾つかの亭館があり、園の趣に彩りをそえている。
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