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世界平和記念聖堂
(せかいへいわきねんせいどう)
世界最初の原爆の犠牲となった人々の追憶と慰霊のために建てられた東洋有数のカトリック聖堂。被爆ドイツ人神父・フーゴー・ラッサール(帰化日本名・愛宮真備)師の発願で、全世界のカトリック教徒をはじめ、内外の浄財約1億円で建立、昭和29年(1954)8月6日に献堂された。設計は日本の近代建築学界の権威、村野藤吾(とうご)氏。重厚さと気品にあふれた中世僧院風のカテドラルは、原爆死没者の数にちなんで被爆地の土で焼いた24万個のれんがを積み上げて建てられた。ドームには鳳凰(ほうおう)を配し、ステンドグラスには松竹梅をデザイン化するなど日本古来の伝統建築と西欧古典様式を巧みに融和させた“村野建築”の代表作の1つ。
高さ45メートルの鐘楼は、第2次世界大戦の武器で鋳造した「平和の鐘」が西ドイツから贈られており、「戦争の道具たりし鋼鉄は、もはや人々を平和に招く」と刻んである。慰霊と平和の祈りを込めて世界から贈られた設備は6か国、17にのぼっている。広島平和記念公園の丹下建築とは別の意味で、世界とのかかわりが深い建物である。
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