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原爆資料館
(げんばくしりょうかん)
原爆ドームを含めた平和記念公園(約12.2ヘクタール)内の記念施設の1つで、正式名称は広島平和記念資料館。原子爆弾による熱線、爆風、放射線の被爆資料約600点(収蔵総数約6800点)を公開展示している。着工当時、広島市民から“鳥カゴ”と評されたピロティ(高床)式の建物は昭和30年(1955)の完成。コンクリート打ち放しの厳しさと力強さを基調に、日本の伝統美を近代建築に生かした見事なプロポーションを見せている。
設計は、国際的建築家の丹下健三氏。同23年、爆心地の記念公園化構想に基づいて広島市が公募した設計コンペの1等入選作である。原爆ドームを見通す原爆慰霊碑―原爆資料館をタテ軸に、公会堂(集会施設)、平和記念館を左右に配したシンメトリックで個性的なデザインが評価された。資料館1階のコンクリート柱だけの空間は、毎年8月6日、平和祈念式典が開かれる原爆慰霊碑前広場に通じる“門”でもある。丹下氏は、ヒロシマをステップに“世界の丹下”へと飛躍したと言ってよい。
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