広島県の文化資源画像

県民文化センター(けんみんぶんかせんたあ)

 シルバーメタリックに輝く、直角三角形型のユニークな外観、21世紀の県民のふれあいの場と、素人には説明されるけれども、建築としては、幅狭い道路に面した広島市の中心部に、いかに多くの機能と、その面積や空間をアレンジして整えるかの極めて困難な設計作品である。その中心的施設である多目的ホールは文字通りの多目的を要求されたものであるために、舞台廻りでの狭さをいかに克服するかの苦心がなされている。しかも絵画、書、工芸などの県民利用の便利な展示室も広く、小ホールや会議室、さらに多くの宿泊室まで持っている総合建築であり、それらがそれぞれ独立して使用され、しかもホールや休憩室、食堂などと結ばれつつ、けっして狭さを感じさせないようにされている。ゆとりがあるとか、文化的、平和的、親しみ易いとか、いろいろ言葉では言われても、建物の良さはそのような抽象では意味はないものである。人がよどみなく気軽に自由に出入りできるプラン、あちこちしなくてよい平面計画が優れた建築なのであって、この県民文化センターはその一例といえよう。ほかに音楽やバレーなどの練習室や文化情報コーナーまである、総合文化センターである。
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