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ダイクレ呉第2工場(だいくれくれだいにこうじょう)

 旧呉海軍工廠(こうしょう)内にあったレンガ造り工場建築の一部である。このような明治時代のレンガ造り工場は平家建ての、長さも幅も広い工場建築である必要から、中央部分の採光を屋根と切妻部より採り入れる型式が多い。この工場建築もその一例で、4周の長大なレンガ壁も高く、強く、厚く築造されて、その切妻部は3階にも当たる程に高いレンガ壁を作ることとなる。桁行のレンガ壁も柱形とアーチで開口部の構造を十分に採り入れており、殊に妻側のレンガ壁の造りようは、適宜に花崗石を取り入れつつ、デザインとしても、構造としても良く出来ている。日本のレンガ構造はイギリス積が主流で、一部にフランス積、ドイツ積が用いられることがあるが、この海軍のものは主としてイギリス積にドイツ風の意匠が石積などに見られるというもので、いずれにしても入念な仕事である点は見逃せない美点である。
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