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神辺本陣跡本屋
(かんなべほんじんあとほんおく)
近世の神辺は、山陽道の宿駅で、備中矢掛(やかけ)と備後今津両駅の中間に位置した。神辺宿の業務は、川北・川南両村にまたがって行われたが、本陣は、川北の三日市の尾道屋菅波(すがなみ)家(西本陣)と七日市の本荘屋菅波家(東本陣)が担当した。尾道屋は、専ら筑前福岡黒田家の本陣を務め、本荘屋は、一般の本陣を務めたとされる。
現存する「神辺本陣」は、尾道屋のものである。安政2年(1855)の建築である正門を中心に瓦葺きの塀を周囲にめぐらし、景観と整えている。
正門を入ったところが本屋で、延享5年(1748)に建てられた。平屋建て、本瓦葺きで、御成(おなり)の間・上段の間・三の間・札の間・玄関など往時の面影をよく伝えている。札の間には、止宿時に門前に掲げた木札が多数保存されている。
近世交通の状況を示すものとして、本屋など7棟が県重要文化財に、屋敷全体が県史跡に指定されている。
なお、本荘屋の建物は、明治期に入りほとんど解体された。
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