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府中市歴史民俗資料館(ふちゅうしれきしみんぞくしりょうかん)

 建物は、明治中期の旧芦品郡役所で、府中市の有形文化財に指定されている。
 郡は「こをり」なる名称のもとに大化の改新以来、長く行政区画として認められていた。大化の制は、郡を里の多少にしたがって大・中・小の3等に分け郡司をおいて郡内の政務を行った。
 明治初年(1868)県内に22郡あった。明治11年11月「郡区町村編成法」の施行で郡ごとに役所が設けられた。郡は明治23年の郡制で自治団体として、独立法人格が認められた。明治31年には、16郡あった。しかし郡は、自治体としての存在意義が薄いため大正12年(1923)廃止、大正15年7月には郡役所も廃止された。
 芦品郡は明治31年、芦田(あしだ)・品治(ほんじ)の2郡が合併してでき、府中町1番地に郡役所が設置された。資料館はその頃の建築である。洋風で、2階建て、寄棟、便所と玄関庇(ひさし)が出ているだけ、家全体は長方形、屋根は、黒の地瓦で葺いている。土台石は長石の2段積み、高さは60センチメートル。窓ガラス1、2階とも、同一の規格で、滑車による上下の引き戸。現在地(土生(はぶ))に、完全な形で移築しており、明治中期の建物として、県内でも珍しく、重要な存在。
 展示は、市内の遺跡から出土した考古資料や、生活用具が中心。
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