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旧真野家住宅(きゅうしんのけじゅうたく)

 みよし風土記の丘園内にあるこの民家は、元世羅郡世羅町戸張(とばり)にあったものを、昭和55年(1980)に現在地に移築復元したものである。かつて、この民家は旧世羅町東北の小さな谷間に、定石どおり北に山を背負っていた。その創建年については諸説あるが、17世紀半ばから18世紀初めにかけてであろうと推定されている。
 古い民家を見る指標として、手斧(ちょうな)仕上げの柱、屋根材料・低い軒・小さい門口部・一間ごとに立つ柱・曲がった柱・土間に立つ柱などがいわれるが旧真野家住宅にはそれらが多く見られる。住宅の正面にのみ開口部があり、三方は厚さ20センチほどの大壁で囲われている。壁の木舞(こまい)は小丸太や丸竹を混用して用い、2か所だけ柱を抜いているものの、他の柱は整然と原型どおり立ち並んでいる。その柱間は、畳寸法によらない間隔である。茶の間の囲炉裏は大きく切ってあり、入口から見るとその囲炉裏端まで一体の空間として見える古式を示している。表側奥の「でい」といわれる室には、この時代としては珍しく「床の間」があり、興味深い。
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