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竹林寺本堂(ちくりんじほんどう)

 竹林寺は、たかむら山山頂にある真言宗寺院である。寺蔵の「竹林寺縁起絵巻(えんぎえまき)」は、当寺を行基(ぎょうき)の開基と伝え、当寺と小野(おのの)たかむらを結び付けた伝説を載せている。
 本堂は、須弥壇(しゅみだん)内面墨書銘によると、天文(てんぶん)14年(1545)8月3日に、乾蔵坊(けんぞうぼう)宥光などを願主として、高屋之大工新左衛門国良、入野大工右京助らが造立したものである。木割が太く、しっかりした素朴な感じのする建物である。手挟(たばさみ)が垂木(たるき)と密着せず、遊離していることも珍しく、手挟の起源を示す好例とされる。
 桁行(けたゆき)・梁間(はりま)各三間、一重、寄棟造り、茅(かや)葺きである。年記が明らかなことと、地元工匠の手で作られている点が、その価値を高めている。
 内部の須弥壇と厨子(ずし)はともに和様で、時代相応のものである。須弥壇は全体漆(うるし)塗りで、羽目板には後期格狭間(こうざま)がはめられている。厨子は彩色と素木(そぼく)が半々で入念に仕上げられている。重要文化財に指定されている。
 当時には、建武(けんむ)5年(1338)在銘の木造地蔵菩薩(ぼさつ)半跏(はんか)像(県重要文化財)を蔵している。
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