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地御前神社社殿(じごぜんじんじゃしゃでん)

 地御前神社は、平安時代末の記録に厳島神社の外宮として現われ、祭神も厳島神社と同一神である。地御前海岸の老松に囲まれるようにして建っている。仁安3年(1168)の「伊都岐島社神主佐伯景弘解」には、本宮(内宮)厳島神社には37宇、外宮地御前神社には19宇の神殿舎屋のあったことを記している。地御前と呼ばれるのは、「地かたに在るを以て、地御前と称す」といわれる。
 社殿は、本殿2宇と拝殿1宇とそれぞれ幣殿によって結ばれる形でつながっている。大宮本殿は桁行(けたゆき)六間、客人(まろうど)本殿は桁行三間で、いずれも梁間(はりま)は二間、前方に一間の庇(ひさし)付きで、屋根は流造り銅版葺きである。内部は身舎(もや)、庇とも板敷で、本宮本殿には6基、客人本殿には5基の宮殿が安置されている。拝殿の方は、桁行九間、梁間三間の入母屋造り銅板葺きとなっている。これら本殿、拝殿ともに、宝暦10年(1760)に再建され、蛙股(かえるまた)、懸漁(げぎょ)、虹梁(こうりょう)端部などの細部意匠に江戸時代の特色がみられるが、平面形式については平安時代のものが再建ごとに踏襲されたのではないかといわれている。
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