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内山の金屋子神社祠堂(うちやまのかなやごじんじゃしどう)

 金屋子神は、たたら師などの信仰する鉄の神、火の神といわれ、西日本を中心に東北・関東地方でもまつられているが、その分布が最も密なのは中国山地沿いの地域である。
 砂鉄を利用したたたら製鉄は、古くから行われており、そのたたら師の信仰する金屋子神は、旧美土里町でも2か所にまつられていたという。しかし、桑田字日南のそれは跡形もなくなっている。現存する生田(いけだ)字内山の金屋子祠は、いつの頃勧請されたものかつまびらかでない。左右に榎(えのき)の古木のある3間ばかりの石段を登ると、内山の金屋子祠がある。この神は女神であるので、女性を好まれぬといい、1間4方の祠には銑(ずく)製と木製が御神体各1体のほか、神前に銑が4個そなえられている。銑とは、たたら場の炉から鉄滓(てっさい)に続いて流れ出る銑鉄(せんてつ)のことで、たたら場最初の銑は、金屋子神に供える習慣になっていたという。内山たたらは享保(きょうほう)年間(1716〜1736)には操業していたが、文政2年(1819)以前に廃されている。
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