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藤坂家住宅(ふじさかけじゅうたく)

 屋敷取りの言葉として「東に流れ、南に田の畦(あぜ)、西に長道、北に高山」というのがある。藤坂家は東南に正面を向けているものの、ほぼそれらの条件にあった住宅といえる。
 この住宅の建築年代を示す資料はないが、土間と母屋裏半分の手斧(ちょうな)仕上げに対し、表の室を鉋(かんな)仕上げにしている様子などからみて、江戸時代後期をだいぶ下るであろうか。この家の平面は横喰違い型の間取りになっており、上手から「かむで」「おもて」と並ぶ表の室のうち、「おもて」は復元すると12畳半ほどの縁のない室になる。そして、「かむで」の縁とは片開き戸で連絡するこのような平面は、江戸時代末期の建築と考えられる旧湯来町の平下家住宅・旧高宮町の遠野家住宅、それと横喰違い型という面も含めて広島市安佐北区安佐町の小田家住宅とよく似ている。いずれも江戸時代後期の建築である。
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