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小イワシ
(こいわし)
広島県で漁獲されるイワシのほとんどがカタクチイワシで、大きさが成魚でも10センチ程度であるので、一般に小イワシと呼ばれている。
広島湾で獲れるカタクチイワシは大部分がイリコにされる。かつては天日で乾していたから、浜一面むしろに広げられ、漁村の風物詩になっていた。現在はすべて乾燥機で干す。
大きいものは、イリコに不向きで鮮魚として出回る。広島市内には小イワシを専門に売り歩く人々がいる。ほとんどが女性で、かつては箱車やてんびん棒で担いで、“なんまんぇー”と呼び歩いた。
カタクチイワシは外洋にもいる。ただし内海ものより一回り大きく、背が黒いのでセグロと呼ばれ大味だという。かつては広島湾一帯で年間を通じて刺し身になる大型のカタクチイワシが獲れていたが、今は6、7月の2ヵ月しか獲れなくなり、他の期間はセグロで代用されることもある。
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