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府中味噌(ふちゅうみそ)

 府中味噌は白味噌として全国にその名を知られている。また、広島県生産量の半分以上を占めている。白味噌が有名だが中味噌、赤味噌も生産している。
 芦田川流域の良質の米と県北の(旧)神石郡、(旧)甲奴郡の畑どころの大豆を原材料として造られてきた。
 府中味噌の歴史は古く、元和2年(1616)当時、府中の、大戸久三郎が自家製造した味噌が、奈良の特産物展で1等賞を獲得したのが始まりといわれる。
 府中は、旧山陽道と石州街道の交わる交通の要衝で、備後絣の商人の土産物として使用され、全国に広まった。当時は家内工業にすぎなかったが、明治以降は専門工場が出来た。
 生産量は一般の消費者と膨大な軍需への供給によって飛躍的に伸びたが、第2次世界大戦の末期から戦後にかけて、統制と戦禍により量、質共に低下した。その後原料事情の好転で発展をとげ今日の地位を築いた。
 味噌は常時出荷している。そのため仕込みも年中行う。3ヵ月の即成醸造もあるが、ほとんど天然醸造で、半年から1年かけてゆっくり熟成させる。
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