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とちもち(とちもち)

 とちもちは、トチの実(み)を入れて作ったもちで、(旧)山県郡旧筒賀村一帯で食べられてきた。茶褐色の柔らかいもちである。
 トチの木は、広島県の西北部の山に自生している。食糧不足時代には、トチの実やヒエ、アワを70パーセントに米を30パーセント入れてご飯に炊いたり、もちにして食べてきた。
 トチの実は「ごう」と呼ぶ固い殻をかぶっており、この殻をむきながら拾うので大変手間がかかり、1日に1斗くらいしか拾えない。栗によく似た固くてつやの良い実である。これを乾燥してかますに詰め、湿気のないところに保存する。
 とちもち作りは、トチの実を水浸する事から始まる。一昼夜水浸した後、熱湯に3〜5時間浸ける。更に湯を取りかえて5〜8時間浸ける。内皮を「ヘシ」と呼ばれる器具で1つひとつむき水に浸ける。翌日きねでつき砕き、「流し灰(ソーダ灰)」に浸けてあく抜きする。一昼夜流れ水につけ、もう一度「くい灰」に一昼夜漬ける。これを蒸してトチの実だんごを作る。もち米1.5キログラムに600グラムの割合で混ぜてもちにする。
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