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太田カブ菜漬け(おおたかぶなづけ)

 (旧)加計町木坂、津浪や(旧)戸河内町など太田川流域の標高200〜300メートルの限られた地域で栽培され食べられてきた。
 この地方では「カブ菜」というのが一般的で、漬け物にして自家消費してきた。
 昭和20年(1945)頃まで麻の後作やキビやアワの後作として栽培されてきた。カブ菜は冬の雪によって柔らかくなり、独特の味と風味が出る。暖地では良いものは出来ないが、雪が多く根雪になるほどでもいけない。
 栽培は、9月中旬に始まり、3月上、中旬に花軸が10センチくらい伸びた状態で収穫し漬け物にする。つぼみとそのまわりの柔らかい葉だけの収穫なので反収は大変に低く1トン前後である。
 長年各々の家庭で種子をとり、作り続けてきたので、本来の太田カブ菜の特徴がうすれ、昭和57年(1982)に県立農業試験場の応援を得て、採種ほを設置するとともに、優良種子の配布など行ってきた。以来、栽培技術の向上による収量の増加と良品生産に力を入れている。
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