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ナシ
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県のほぼ中央部、広大な世羅台地に、近代的な農業団地が20数ヵ所にある。中でも、昭和38年(1963)県営開拓パイロット事業によって開発された農地に誕生したのが、農業組合法人「世羅幸水農園」である。参加農家26戸、ほ場面積30ヘクタールで発足。
この年の秋から昭和39年(1964)春にかけて「幸水ナシ」14ヘクタール、「長十郎」6ヘクタールを植栽、さらに昭和39年(1964)秋には、「幸水ナシ」6ヘクタール、「長十郎」1ヘクタールを植え、無袋の赤ナシ栽培を本格化した。
出荷は昭和41年(1966)からで、8月24日に大阪市場へ搬送。広島県副知事も参加する「幸水ナシ」の試食会を開き、売り込みに成功した。昭和43年(1968)には、「新水ナシ」5ヘクタールを新植、ナシの新品種も進んで導入。「幸水ナシ」を主流として園を構成。昭和44年(1969)には「幸水ナシ」は、大阪市場で75パーセントを占める大産地となった。
こうした成果が認められ、昭和45年(1970)には、「朝日農業賞」を獲得、名実共に日本一の産地となる。
日本のナシといえば、「二十世紀」と「長十郎」が代表品種だった。これを赤ナシ「幸水ナシ」に目をつけ、無袋栽培による生産の冒険をおかして見事に成功させた。
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