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実験都市
(じっけんとし)
地元新聞の学芸部記者、梶が当時、広島の中のアメリカ租界といわれていた比治山のABCCを訪れる。そこで働く日本人職員の首切り反対のストライキを取材するためである。
梶は応対に出た女性、二世の連絡渉外部長、ストライキの発起者である医師、この三者の言動を通してABCCの実態に迫ろうとする。
「眼窩ふかく、疼きが再生されて襲いかかってくるような、不吉な予感。梶は僅かばかり、いら、いら、した。やり切れなさが肩のあたりに集中されている。なぜ、いらいらしなければならないのだ。なぜ、重いのだ。なぜ?」
終章の数行である。
昭和20年代の後半、ここを訪れた被爆者は「ABCCは診察すれど、治療せず」と自らの体験をヒソヒソ話で人から人へと伝えた。おおっぴらに言えぬ得体の知れぬ圧力が存在していた。
それだけに「実験都市」はタブーの内側をえぐるルポ、小説に名を借りた、ABCC報告書として読者に鮮烈な印象を与えた。
写真説明
財団法人放射線影響研究所(広島市南区、比治山公園内)
【写真ガイド】
JR広島駅から比治山下経由広島港(宇品)行き市内電車で比治山下下車、徒歩10分。
メモ
■梶山季之(かじやまとしゆき)(1930~1975) 韓国ソウル生まれ
■主な作品 「黒の試走車」「赤いダイヤ」「李朝残影」
広島・長崎の両被爆地に設けられている財団法人放射線影響研究所(放影研)は昭和50年(1975)3月までABCC(原爆傷害調査委員会)と呼ばれていた。
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