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審判(しんぱん)

 「審判」は、芥川賞作家、堀田善衛が原爆投下機のパイロットと日本人との交流を柱に、原爆と原爆以後の人間の生き方を追及した長編。昭和38年(1963)刊。
 パイロットのモデルとなったのは、原爆投下の先導を務めた天候観測機の機長で、戦後罪悪感から神経症となり病院にとじ込められたといわれるクロード・イーザリー少佐。それと対比的に、中国大陸で一人の中国人老女を殺したことで戦後精神障害を起こし、廃人同様となった日本人元兵士を配し、現代の人間が置かれている条件の恐ろしさを、さまざまな角度から探求している。
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