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若山牧水・和歌(わかやまぼくすい・わか)

 牧水は、明治18年(1885)宮崎県で生まれ、昭和3年(1928)沼津市で没した。明治・大正・昭和を通しての「歌人中の歌人」といわれている。
 幾山河越えさり行かば寂しさの 
  終て(はて)なむ国ぞ今日も旅ゆく
 牧水といえば直ちに頭に浮かんでくる一首である。明治40年(1907)、23歳のとき、6月下旬、帰省の途に着き、神戸からただ一人で岡山・広島・宮島・山口・下関と旅し、7月中旬に宮崎に帰った。このときの作品である。
 岡山から田山花袋(かたい)の「蒲団」の舞台となった新見(にいみ)へ入り、その後現在の芸備線沿いの道を西へ歩いて、広島県比婆郡東城町(現庄原市東城町)二本松の国境の地に至り、二本松の熊谷屋という茶屋に泊った。
 ゆき暮れて県境の茶屋にて詠める
として2首をしたため芳水のもとへ送った。そのうちの1首である。 
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