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豊松ぶらぶら(とよまつぶらぶら)

 「鶴岡八幡宮の森は、油木八幡にくらべると面積はせまい。しかし、そこに立っている杉は油木八幡より大きいものが多い。大きいものでおそらくは6、700年位のものではないかと思われる。それはまたそのままこの神社の古さを物語るものであろう」
 民俗学者宮本常一は早くから民俗採訪の旅を続け、豊松村(現神石高原町)にはしばしば足を運んでいる。その採集態度は実に人間的、温かい心情と誠意を持ち、採集表現は的確で文学の香り高いものである。そのことは次の一文によっても明らかである。
 「古く過ぎ去ったことばかり詮索してみても仕方のないことであるが、民衆の歴史というものは地についたキメのこまかなもので、それが土にしみこんでいる。だから土地の人にとっては過去もまた現在なのである」
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