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カキ養殖(かきようしょく)

広島湾でのカキ養殖は、干潟を漁場として約400年にわたって行われてきた。その間、カキの幼生が石や竹などの固定物に着生することに着目したさまざまな養殖方法が考案されてきた。大量の水が太田川から広島湾に流れ込み、淡水と海水が混じりあうことで、カキのえさとなる良性のプランクトンが育てられる。干潟において、干潮時に干し出し(太陽の光をあび空気にさらす)状態で成長したカキは、現在の筏式垂下(いかだしきすいか)養殖法のように、常時海中で成長するものよりも、小粒ながら身が引き締まっていたと古老たちは口をそろえて当時を懐かしむ。
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「ひびだて養殖法」(仁保島式)昭和初期
広島市郷土資料館所蔵

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