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加計げんこつ踊り(かけげんこつおどり)

 この踊りの元祖は、江戸時代に虫送りの行事で踊った豊年踊りとも、また鳥追踊りともいわれている。大勢の踊り子が燈籠を背負って左手に提燈をもち、右手に鳴子を打ち鳴らしながら踊る特異なものである。
 「げんこつ」の名はその所作からつけられたとも、あるいは明治初頭の凶年に麻の二度蒔きに成功して、喜んだ若者達が踊り出し少々騒いだことからとも伝えてられている。元もとは加計空条から丁川(よろがわ)へかけての一帯で行われたようだが、安政4(1857)年に丁川郷中で稲荷社に夜燈を献燈、そのさい盛大に踊られたという。
 やがて、盆踊りで踊るなどの年中行事としての性格は失われたが昭和38年、町の無形民俗文化財に指定され、現在も丁川地域伝統の出し物として親しまれている。
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